わたしは文字だ。
文字は線だ。
線は点だ。
点は円だ。
円は球だ。
球は宇宙だ。
宇宙は文字だ。
文字はわたしだ。
惑星を回り続ける文字は右から左へ突き抜けていく。わたしという全データがどのくらいの容量なのか知らない。何ギガでも何テラでもそれはあまり気にならないというのは嘘だ。自分の体積はわからなくても体重は多少なりとも気にする程度には気になっている。それを測定する術はないというより、量るそばから増え続けてるので意味がない。惑星を何周しても空っぽになるどころか増えていく。わたしの中の文字である私達は軌道を外れてみたくなる。それがわたし由来の気持ちなのかわからない。「わからない」という「わからなさ」という情報が容量として増え続けていく。
わたしと私達は方眼紙のような宇宙を突き進む。軌道は外れたいと思った時点で外れていく。わたしも私達もそれぞれ分散していく。容量の増大と同じ速度で分散して存在と存在未満の間で揺れ動く程度の存在になったわたし達はお互いのこともすっかり忘れた頃に唐突に出会ったりする。全く知らないのに懐かしい知人というより、置き去りにされた冷凍みかんのような感じで。
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